麦門冬(やますげ)
現在名称 | ジャノヒゲで |
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記載郡 | 楯縫・神門で |
当時の使途 | 薬で |
(延喜式典薬寮) 出雲からの貢進量 |
5升で |
ユリ科常緑多年性小草本。日本・朝鮮・中国に分布。出雲では山野路傍いたるところに自生し、また広く庭園にも栽植されている。わが国の本草学者は(小野蘭山そのほか)この麦門冬を二つに分けて、ジャノヒゲのほうを小麦門冬とし、このジャノヒゲに似て大形で同じく根に膨大部のあるヤブラン(果実は黒色)を大葉麦門冬としてしまった。根塊の乾燥品が生薬のそれぞれ小葉麦門冬および大葉麦門冬である。ヤブランもユリ科に属し常緑の多年性草本。日本の本州以南・朝鮮南部・中国に分布。出雲では奥地を除いた比較的暖い陰地に野生し、また庭園に植えられている。出雲国風土記のものなどの麦門冬の正体は、ジャノヒゲかヤブランかこの二つの混合物か決めるべくもない。
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