前胡(のぜり)
現在名称 | レンギョウで |
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記載郡 | 秋鹿で |
当時の使途 | 薬で |
(延喜式典薬寮) 出雲からの貢進量 |
2斤で |
長らく中国産モクセイ科蔓状落葉花木「黄寿丹」にされて怪しまれず、今日に至った。草に分類(中国でも湿草)。今では、適正に同定されて、オトギリソウ科の湿地性の多年草トモエソウとなった。種類の多いオトギリソウも同属。出雲でも山地の湿地水辺に叢生する。出雲国風土記時代、意宇や秋鹿の郡の山野に野生化していたと考えるより、トモエソウに当てて連翹を正しく同定していたとみた。それにしても、他郡で取り上げなかったこと、延喜式に貢進量が誌されているなど、関係がはっきりせぬ。トモエソウは日本を含めアジアに広く分布する。日本自生品として備後や備中の石灰岩地帯に特産するヤマトレンギョウがある。
※写真はトモエソウです
※写真はトモエソウです